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帰りたくない理由

少し前までは、マレーシア移住といえば、年金生活を送るシニア世代に限られていたのかも知れませんが、最近は、若年齢化が進み、20代、30代の方たちも増えてきているそうです。


若くして移住を決めた理由は、人それぞれのようです。

マレーシアへのゆかり、こどもの教育、仕事や健康上の理由、日本の将来についての様々な不安感・・・etc。

それこそ、一大決心ですよね。

いろいろな障害を乗り越えてのことと思います。

半分リタイア生活の我が家には、とてもそこまでは・・・と思う方もいます。


たとえ理由はみな違っても、ある意味で、世界一快適な日本を離れての移住生活。

いざ暮らしてみると、想定外の大変さが次々起こってきます。

多少の不便さは覚悟してきたとしても、治安や安全面のこととなると、日々、緊張を強いられます。



人が思うように動いてくれないマレーシアでは、日本での常識がいちいち通用しないし、トラブルに巻きこまれたりすることも、多々あります。

車社会なので、自由に電車や徒歩でお出かけすることなんて出来ないし、 頼みのタクシーや道で,怖い思いをした人も知っています。


でも、マレーシアの良いところを見つけて、暮らす幸せを感じつつ、大変さを乗り越えて、この国に何とか留まろうとしている人たちに皆共通するのは、強いこだわりや危機感などの、”どうしても帰りたくない理由”があることのように感じます。




そのむかし、駐在でロンドンにいた時、幼稚園のママ友に、クロアチア出身の人がいました。

内戦の混乱から飛び出してきたようでしたが、母国を悪く言うこともなく、いつも明るい気丈な人でした。

(東欧の人って、そういうタフなイメージが強いです)


高級住宅地の一角の質素なフラットに、自分の荷物をほとんど持たずに、その家族は暮らしていたのですが、しばらくすると、”ここでは、(高学歴の)主人に見合う仕事が見つからないから。”と言って,スーツケース程度の荷物を持って、友人を頼って、サンフランシスコへ引っ越していきました。


当時、私たち日本人のほとんど誰もが、そんな発想を持っていなかったので、その潔さには正直驚きましたが、今でもその時の情景が、私の脳裏に焼きついています。



そして、今。

時代は、変わっているのですね。

たくさんの人が自分の意思で日本を離れているのですから。



多民族国家マレーシア。

共存する様々な人種、人種間の壁や階層、宗教・文化の違いなど、日本ではほとんど意識しなかったことが多すぎて、いろいろ学ぶこともあり、今のところ、毎日が刺激的で楽しいです。



この国には、とてつもなく豊かな暮らしをしている人も多くいる一方で、社会の底辺で、貧しい暮らしを強いられている人もたくさんいます。

けれども、社会の不条理に阻まれたりして思うような仕事につけない人の中にも、不満げに投げやりに生きている人もいれば、大らかにハッピーに生きている人もいます。

いろんな人達がいて、いろんな人生があって、いろんな価値観があります。

そして、それに加えて、日々感じる日本とのギャップ・・・。



この国にいると、移住してきたことが良いことかどうなのか、判らなくなるときがあります。

日本人であることが、幸せなのかそうではないのか、考えてしまうこともあります。


でも、人生は一度きり。

マレーシアが好きで、自分なりの”正解”を探しているうちは、きっと我が家もKLに住み続けていくのかも知れないな・・・

そんなことを、最近思っている私です。桜





by JKJasmine | 2013-03-23 15:52 | 思うこと | Trackback

猫と暮らすマレーシアライフ+その後の日本の暮らし


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