"何もない"ラオスにあるもの 2
2019年 02月 25日
村上春樹さんの紀行文集のタイトルは、ハノイのベトナム人に"なぜラオス(なんか)に行くのか"と不思議がられたというエピソードから付けられたものだそうです。
確かにベトナム人から見れば、さらに貧しいラオスにわざわざ行くなんてと思うのかも知れませんね。
村上さん自身もあまりに事前のイメージがないので、とりあえずどんなところなのか行ってみようと思ったそうですが、実は私の旅行の動機というのも、どちらかといえばそれに近いものでした。
ラオスには、1、素敵なカフェや 2、美味しいビールがあって
3、周辺には美しい自然もあります。
クアンシーの滝。
北海道の青い池を思わせる様なエメラルドグリーンの水は感動的に綺麗でした。
車で40分くらいなので、お天気の良い日にぜひ!
旅先で食事のクオリティが高く、美しい自然が楽しめるのは大切なポイントですよね。
ルアンパバーンはその点、”合格”だと思います。
けれども観光地として、例えばヨーロッパのお城や大聖堂、立派な彫刻や美術館等を求めるならば、ルアンパバーンにはそのようなものはありません。
でも私はこの土地で、多くの心地良いものや懐かしいもの、癒されるものにたくさん出会うことが出来たと思うのです。
(首輪もリードもないワンちゃんとベンチで寝ている人)
そうですね〜。
たとえば、のんびり暮らす人や動物に出会えたり。。。
(デジャビュのように懐かしいお寺)
旅先のはずなのに、まるでご近所を散策しているような気分になる不思議な感覚を覚えたり。。。
心が静まるメコン川の流れを見ながら、ひたすらぼーっとしてみたり。。。
何もないラオスにあるもの。
それは、先進国の人が戻ることが出来なくなった暮らしが体感できることかも知れません。
中洲のような土地柄で周囲は山岳地帯なので、コンパクトだけれど何かの力に守られているような平和な街。
先進国の人にとって、日頃の便利すぎる日常からしばし離れ、必要以上に余計なものがなくシンプルな日々が過ごせること。
派手さや豪華さはないけれど、以前過ごした場所へとタイムスリップしたような再発見があり安心感があり、肩の力を抜きつつ疲れない旅が出来ること。
リピーターや長期滞在者が多いのも納得だと思いました。
フットマッサージをしてくれた女の子の人懐っこい笑顔は、本当にチャーミングでした。
路地で犬や猫&ニワトリが一緒に戯れる姿は、幼少の頃に母が手書きの絵を元に作ってくれたアルバムの表紙そのままの世界でした。
路上で犬が寝ていてもクラクションを鳴らさず運転する人々には驚きで、共生する人も動物も、とっても穏やかな表情をしていたことが印象的でした。
たとえ有名な名所がなくても、写真に残っていないものであっても、そこで過ごした時間こそがいつまでも記憶に残るような旅でした。
旅の最終日に、地元のアーティスト自らが経営しているショップで自分用にこのTシャツを買いました。
ルアンパバーンらしさを切り取ったデザインがとても気に入って。。。
私にとって、いつの日か懐かしさを求めて、再び戻って来たい場所になりました。
by JKJasmine
| 2019-02-25 07:55
| 旅行
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